初彼 -ハツカレ-
「ぉっはよ!!久実ちゃん♪」
あたしの横に突然現れたのは―…
「おはようございます。木場先輩。
今日は部長と一緒じゃないんですね」
木場先輩は、
部長と同じ中学の先輩で、
今は部長と組んで
男子の1番手になっている先輩。
「あぁ優哉?あいつ、病院だもん」
「――…え?」
「あぁ久実ちゃん達は知らないか」
「??」
「あいつ、右肩壊してんの」
初めて知った。
昨日部長は普通に試合をしていた。
あんなに強い萌先輩と試合してたし……。
軽いはず……。
「確かけっこう酷い炎症なんだってさ」
「炎症…」
なった事ないからかわかんないや…。
「何だかとにかく熱いらしいよ?
休憩には必ず冷やしに行くし汗異常だし、」
「……。」
「大丈夫なんですかね??」
「3ヶ月通ってるしね。
まぁときどき痛そうにしてるけど…」
「………。」
「心配?」
「え?」
「優哉。」
「なっち、違いますよ///
ただ何で言わないのかなぁって
思っただけです///」
「ふーん」
「木場先輩信じてないですよね」
「まぁね♪」
自転車置き場から歩いて、
いつの間にか下足場に着いていた。
「あ、じゃぁ失礼します」
「ぅん。また部活でね」
そぅ言ってあたしと木場先輩は別れた。