初彼 -ハツカレ-
いつの間にか
もぅ少しで約束の時間になりそうで、
あたしは少し走って駅まで行った。
「ハッ…はぁ…はぁ……」
今日天気が曇りでよかった。
快晴だったら汗だくだと思う。
本当に今日の天気に感謝だ。
あんまり履き慣れてないパンプスを
鳴らしながら
階段を上がってロッカーの前に立った。
「………っ…。」
「……はょ。」
目の前に部長が…
いる。
部長はロッカーに寄りかかっていて、
あたしに気付いて
あたしに笑って挨拶をした。
もぅ『おはよう』の時間じゃないのに、
おはようと部長は言った。
そんな部長は、
寄りかかっていた体を直して
あたしに近づいた。