初彼 -ハツカレ-




「あ、電車来た」

部長が体を前に傾けて電車が来たのを

見ただけなのに

あたしの体はビクッと揺れた。




ダメだ…。

意識し過ぎてる…。

これじゃぁ部長だって傷つくよね…。




そぅ思うと凄い風と騒音がした。

そしてあたしは影に包まれる。


「小泉?」


部長は何も無かった様に

あたしに話しかける。


「ううんっ

何でもないよ!!」



そぅ言うと部長は電車に乗り込んだ。




電車の中はGWだからけっこう乗っていた。


部長は奥に詰めて乗っていたから

あたしは部長の隣に立った。



「けっけっこう遠いいの?」

「んー…30分もかからないけど

ちょっと歩くかな」



最初のほうが声が小さくて固くて、

恥ずかしかったけど訊いた。

でもダメだぁ~~っ///

体はガクガクするし震えるし。

変な所まで気になる。





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