初彼 -ハツカレ-
隣からスースーと息の音が聞こえる。
それから部長は全然起きなくて、
駅を3つ通っても起きない。
相変わらずスースーと声を出して寝てる。
その時、
前の席の窓から強い風が入り込んだ。
「、…」
部長の髪の毛があたしの首に当たって
くすぐったい。
「…………。」
何だか、
部長の髪の毛が触りたくなった。
いつもだったらあたしの頭より
遥かに上にある部長の頭。
「(サラサラなのかな……。)」
興味本位で、
あたしは部長の髪に触れた。
「(サラサラ―……)」
予想通りっていうか、
納得って感じで、
部長の髪の毛はサラサラだった。