初彼 -ハツカレ-
「………。」
「………。」
それから、
何も言わないで自転車は進む。
何分経ったのかも分からない。
静か過ぎて、
思った以上に経っていないのかも。
慣れる事はなくて、
高校を通って少しした時まで、
2人とも何も言わなかった。
「家どっち?」
「……左…」
「ん。」
あたしは自分の家までの道のりを教えて
初めて部長に家を教えた。
「ここ??」
「………ぅん///」
あたしが自転車から降りると、
部長は笑ってあたしを撫でた。
「じゃぁ明日はちゃんと休めよ。
また学校でな」
そぅ言うと、
部長は自分の家に帰っていった。