私って!
その3
 リビングでは他のみんながくつろいでいた。

 ウチのリビングはソファとかの応援セットなんて置いてないから…

 ふわふわのカーペットを敷いたフローリングに直接に座って過ごすの。

 3年前にこの家を買った時は揃えていたんだけど、かえって狭くなったからリサイクルショップに売っちゃった。


 ソファがなくなって部屋は広くなったし。

 みんな、デーンと足伸ばしたりしている。

「ハーイ、お待たせ!」

「パーティー、どこでやるの?」

 神谷先輩が尋ねる。

「ココで。ココなら広いから」

 そう言って、私は少し大きめの折りたたみテーブルを廊下のクローゼットから取り出した。

「小さいテーブルどうする!?」と、誰かが訊く。

「ごめーん! 大きなテーブル持ってくるから、どけといてェ!」

「あいよっと」

 常時、置いてある小さなガラステーブルをどけてくれたのは藤岡。

 私は折りたたみテーブルをその場所へと運び込んだ。

 ヨイショ!

 このテーブルって結構、重たいんだよネェ。

 ヨイショ!

「重そうだな。オレが運んでやるよ」

「あ、ありがとう!」

 ラッキー!

 藤岡が運んでくれる!

 藤岡が!


 ふじ…


 え?



 ええ?



 ええーッ!?



 ゲーッ!

 藤岡じゃなーい!

 テーブル持ってくれる男子の顔を目にして、私は驚いた!

 緊張感が走り、心臓がドッキドキ!

 ウーワーッ!

 頭ん中、パニック状態になっちゃって!

 コイツ、神谷先輩と同じクラスの上級生。

 名前は亀田アキトと言って、私の元カレ。

 アキトが来ていたなんて、思いもしなかった。

 …っつーか、コイツを呼んだ覚えはない!

「ヨォ、ココでイイかァー?」

「う、うん!」と、私は思わず返事した。
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