私って!
 私のパニックをよそに、アキトはテーブルを広げてくれた。

「ありがとう」って、フツーなら言うんだけど…

 今の私、それどころじゃないんだよね!

 一週間前にアキトとケンカしちゃったから。

 些細なツマラナい理由でだけどね。

「っで、次は?」

 アキト、私の指示を待っている。

 そうネェ。




 えーっと…




 次は…っと




 ちょ、ちょい待って!

 私ったら、1人でパニクっちゃって!

「ど、どうしてアキトがウチに来たのッ!?」

 アキト、キョトンとした顔で答えた。

「お前の誕生日、祝いに来たんだろうが」

「アンタを誘った覚えはないんだけど!」

 すると神谷先輩が横から口を出した。

「私が誘ったのよ。
 亀田、アナタと仲直りしたいって言うから」

 えーッ!?

 神谷先輩…!

 余計な事を!

 それにしても…

 初めて聞いた、アキトの気持ち。

「…」

 私、何て言えばイイ?

 言葉が出ないよォ!

 亀田、私の肩をポンと叩いた。

「っつーこった。まあ、お互い仲直りしようぜ」

「…」

 ずいぶんと、簡単に事を済ませるよね!

 私はまだ…

 アキト、半分笑いながら言う。

「いつまでも、しけた顔すんじゃねーよ」

「!?」

「お前ってすぐ、ヒステリックになるんだよな。 なんつーかサァ、冗談が通じないっつーか。
 だからあん時…」


「帰って…」

「ハァ?」

「帰ってくんない?」

 私の言葉で、場の空気が変わり始めた。

 神谷先輩が話しかけて来た。

「どうしたの綾香?」

 残念ながら、先輩の声は私の耳に入らない。

 グチを言うアキト。

「来たばかりで、メシも食ってないのに」

 私はカッと頭に血が上った!

「帰って!」

「野北!」

「帰って!」



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