最後の恋。
「おはようございます。佐々木さん。」家の前まで迎えに来てくれた佐々木さんの車に乗り込む。 言わなきゃ…。今井雄介と付き合い始めた事。 「おはよう。仁美ちゃん。今日は11時からYフーズの新賞品販売イベントと、2時から雑誌の取材で終わりだからね。」今日のスケジュールの説明する佐々木さんはいつもと変わらない。アイツと付き合ってるなんて言ったらどんな事言われるんだろ。やっぱり止めとけ!とか言われるのかなぁ…。「…ちゃん?仁美ちゃん、聞いてる!?」ミラー越しに私を見てくる。「あっ…はい聞いてます。」聞いて無かったけど。「どうしたの?ぼんやりして。まさか、今井雄介の事考えてたとか?」クスッと笑いながら、視線を合わせてくる。 「実は…そうなんだ?今井雄介と付き合い始めた。」俯いて喋るから、声が聞き取れなかったのか「えっ、何?今井雄介が何だって?」大きく深呼吸をして「今井雄介と付き合ってる。今度のクイズパレードで発表する事になったの!」言ってしまった…。
< 106 / 179 >

この作品をシェア

pagetop