最後の恋。
それから30分後、携帯が鳴った。「はい…。」「俺です。着きましたよ。待ってます。」こっそり家を出ると、黒いワゴンが止まっていて、助手席側の窓が開き「乗って下さい。」言われるままに乗った。「すみません。夜遅くに来て…。」運転しながら、チラッと私を見た。 「ううん…。」私が駄々こねたからいけない。暫く二人共、言葉が無く、黙ったまま流れるネオンを見ていた。山道を通ると、前に来た夜景が広がる場所。車を止めて雄介君が口を開いた。「何が気になるんですか?東山里可の。」