最後の恋。
「分かった。受けるよ、その仕事。」少しヤケ気味に返事をすると、「そうこなくちゃ。仁美ちゃん。」家の前に車を止めて、振り返り私の顔を見てニコリと微笑んだ。鞄を持つとドアを開けて「有難う。また明日ね。」そう言って車から降りた。運転席の窓を降ろし右手を出して、ヒラヒラと手を振って車を発進させた。
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