最後の恋。
「とくに、仁美ちゃん、お前最悪やぞ!それでも元女子アナか!?本番中に独り言は言うし、東山里可と火花散らしとったやろ?局アナ時代、何を学んできたんや!」さっきまでおだやかだった口調が激しくなり、目付きも鋭くなった。 「すみません…でした。」指摘された通りだ。悪いのは私だ。東山里可の挑発に乗ってしまったのは、私だ…。「仁美ちゃんは、雄介の気持ち、どう思うてるんや?好きなんか?正直に言うたらええがな。ここには俺ら以外誰も居てへんし。そうやって隠そう、隠そうとするから面倒くさい事になるんやで?どうなんや?」日本酒を飲みながらポツリポツリと話す石田さん。「…好き…だと思います。」今井雄介の顔を見て答えるけど「でも…怖いんです。本気で好きになって、失うショックの大きさは、私がよく知ってますし、私なんか 10歳も年上で、バツイチで子持ちです。まだまだ若い今井君を好きでいていいのか…。また裏切られたらと思うと前に進めないんです。」本音が言えた…。