【短】雨宿り

BA☆KA

しばらくして運ばれてきたトリオ。

ミルク&コーヒーゼリー&チョコアイスのいう組み合わせの、私の大好きな飲み物。

そこにガムシロップをたっぷりとかけ、ストローで上に乗ったアイスをつぶさないようにそーっとミルクをかき混ぜるんだ。

甘く甘くして。

その甘いミルクを一口飲んでから、底に沈んでいるほろ苦いコーヒーゼリーを取り出し、口に含んだ。

おいしい。

ミルクの甘さとコーヒーゼリーのほろ苦さとの絶妙なバランス。

これを教えてくれたのは碧斗(アオト)だった──……。




大学のサークルで知り合った彼は、みんなで立ち寄ったこの場所で

『亜美(アミ)ちゃん、これ美味いから食ってみ?』

って、スプーンにすくったコーヒーゼリーを私の口元に運んだんだ。

ほんのりミルクがかかったそれは、彼の手にするスプーンの上で、プルプルと揺れていた。

私?

それは、関節キスになっちゃいませんか?

でも動揺してたのは私だけで。

下心なんてまるでなしと言うように、無邪気な笑顔を向けていた碧斗。

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