【短】雨宿り
「そういうとこがいけないんじゃないでしょうか?

大事な人の誕生日プレゼントだと言うなら、自分で考えたらどうですか?」

そしてまた、前を向いて足早に歩き出す。

「ん〜、ネックレス?財布?時計?」

後ろから彼の足音と共にぶつぶつと独り言が聞こえる。

「はぁ」

一生懸命考えているみたいだけど、やっぱりこの人にはきっとはわかんない。

「それじゃ、きっと仲直りできないですね」

私はまた振り返り、彼に言った。

「えぇぇ〜!?僕はどうしたらいいんでしょう?」

本当に予想外と言うような驚き様。

きっとあなたには一生わかんないでしょうね。

「なんか欲しいって言ってたかな?んー……」

首を傾げながら、本気で考えてる様子の彼。

「私は……」

私は立ち止まって、彼を真っ直ぐ見つめた。

「え?」
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