【短】雨宿り
私は、ただそこにいてほしかっただけなのに。
結婚って、幸せの絶頂だと思ってた。
大好きな人がそばにいて、その日の終わりに彼の顔を見ることができる。
その日の始まりに、誰よりも先に「おはよう」が言える。
碧斗の笑顔が大好きだったから、毎日あの笑顔に会えるんだって思ってた。
なのに営業で疲れて帰ってきた彼は、帰宅に喜ぶ私を素通りして
『疲れたーっ』
って、ソファに横になり、スーツをシワシワにしてしまう。
『ただいま』とかないの?
口べたなのは知ってた。
でも、碧斗を想って半日かけて作った私の手料理を、携帯いじりながら10分もしないうちに簡単に食べ終えてしまう。
そして『ご馳走様』もなければ『美味しかったよ』もない。
食べたら食べっぱなしで、脱いだら脱ぎっぱなし。
使ったら使いっぱなしで、話しかける私に
「俺、お客さんと話ばっかしてきたから、家帰って来てまでしゃべりたくないわ〜」
と言って『おやすみ』もなく、ソファで横になったまま気づいたら眠っていた。
結婚って、幸せの絶頂だと思ってた。
大好きな人がそばにいて、その日の終わりに彼の顔を見ることができる。
その日の始まりに、誰よりも先に「おはよう」が言える。
碧斗の笑顔が大好きだったから、毎日あの笑顔に会えるんだって思ってた。
なのに営業で疲れて帰ってきた彼は、帰宅に喜ぶ私を素通りして
『疲れたーっ』
って、ソファに横になり、スーツをシワシワにしてしまう。
『ただいま』とかないの?
口べたなのは知ってた。
でも、碧斗を想って半日かけて作った私の手料理を、携帯いじりながら10分もしないうちに簡単に食べ終えてしまう。
そして『ご馳走様』もなければ『美味しかったよ』もない。
食べたら食べっぱなしで、脱いだら脱ぎっぱなし。
使ったら使いっぱなしで、話しかける私に
「俺、お客さんと話ばっかしてきたから、家帰って来てまでしゃべりたくないわ〜」
と言って『おやすみ』もなく、ソファで横になったまま気づいたら眠っていた。