【短】雨宿り
手紙にはこう、書かれていた。

『君の作ったご飯は美味しかった。

君が待っててくれると思うと、帰るのが楽しみだった。

君がそこにいてくれるから、がんばりたいと思ったし、がんばれた。

君の「まったく〜」と言いながら、俺の出したものを片づけてくれるのが、嬉しかった。

君がかけてくれた布団は何より温かかった。

君に甘えたくてわざと何もしなかった。

君の1日の話を聞くと心が安らいだ。

疲れた俺は相槌すら打てなかったけど、君の声に癒されてた。

今までお洒落だった君が、服を買わなくなって、買ってやりたいと思った。

毎月行ってた美容室を、3ヶ月に1度に変えたのも知ってた。

いっぱい稼いで君の我慢を減らしたかった。

君に笑ってて欲しかった。

口下手で、いつもうまく伝えられなくて、不安にさせてしまったりするかもしれないけど。

俺は誰よりも、亜美を愛してます。



亜美へ。



──碧斗より。




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