BLACKSTONES




ゾーンは呆れた顔つきをして、ナルの背中を押した。ナルはにっと笑って、リタがいる部屋まで行く。

その時だった。


視界が歪み、前が見えなくなった。ナルは目の前にいる誰かの服をつかむ。


「…ナル……」


そこにいたのはフードをかぶって顔は見えないが……間違いなく、リタだった。


「…リタ…」

「…ナル…大丈夫?」



リタはナルの顔を見るように座りこんだ。ナルの視界が戻り、まわりを見るとユリナはいなく、ただ部屋に二人だった。



「…リタ…勝手に消えたりしないで?お願い…お願いだから…」


ナルはリタの手をぎゅっと握った。




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