BLACKSTONES
ナルはそう言われて安心して眠ることができた。
リタにも変化があった。言い掛けたことを忘れたり、ナルに関係することを忘れたりしていた。
「おはよっ!!」
そんなことを考えずにリタはいつものように明るく振る舞っていた。
作り笑いなんてダメだとわかってはいたのに。
リタは作り笑いをするしか自分を押さえれなかった。
恐怖と絶望の間にいる、自分を押さえれなかった。
「リタ、おはよう。今日もご飯作ったよ」
「…あ、ああっ!ありがと」
リタはナルの顔が一瞬、自分の顔に見えていた。そしてナルの名前を忘れそうになっていた。
確実に変化している。