空が泣いた日



「あの-もし?
よかったらあなたの名前をお聞かせくださいませんか?」



ぼーっとする千晶紀の顔を
不思議そうに沖田がのぞき込む。



千晶紀は絞り出すように声を出す。


なぜだか声をうまく出せなかった。



「私、ですか…?
私は千晶紀といいます。」



「千晶紀さん…
とてもいい名前ですッ!」



沖田はさらに目を細めて笑う。



.
< 10 / 36 >

この作品をシェア

pagetop