空が泣いた日
土方も沖田に続いて話し出す。
「お前が殺される前に俺も総司も間に合ってよかったよ。
あと、親父さんのことは安心しろ。
しっかりと墓を建ててやったからよ。」
千晶紀は少し気が軽くなっていた。
父のその後を知ることができた、というのももちろんあるが、
昨日のことを自分の口で
話すことによって
心の整理もできたのだ。
──といっても、父の死は簡単に
割り切れるものではないが。
「で、千晶紀はこの後どうすんだよ。
身を寄せるところはあんのか?」
さっきも行ったとおり
千晶紀に身を寄せることのできる
親戚はいない。
父が死んだ時点で"天涯孤独"の道を
歩むことになったのである。
それは変えることの
できない現実──…
しかし、ここで
「いいえ、ありません。」
と言ったらこの人達はどうする?
きっとまた迷惑を
かけることになるだろう。
千晶紀としては絶対に
それだけは避けたかった。
迷惑だけはかけたくない…
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