空が泣いた日



「…はい、あります。
母は小さい頃に病気でなくなりましたが、
その頃からずっとよくしてくれた叔母さんがいるんです。」





──嘘を、ついた。



叔母さんなんて存在しないどころか、
自分がどうやって
生活していくかの
めどさえたっていない。



沖田と土方はというと、
二人難しい顔をして
顔を見合わせている。



これでいいんだ──…


千晶紀は何度も
そう心の中で言い聞かせた。



「そうか…ならいいんだが一応肩の傷が治るまでは屯所にいろ。」


「そうですね。
そうした方がいいと思います。」



土方の言葉に沖田も賛同する。



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