空が泣いた日

｢…やっと笑いましたね｣



｢えっ？今私…笑ってました??｣




千晶紀は自分の頬に手を当てて、
信じられない、といわんばかりに
目を見開いている。



自分が無意識のうちに笑う──…



つまり心から笑えると
思っていなかったのだ。




｢えぇ。とてもいい顔をして笑ってました!
やっぱり千晶紀さんは笑顔の時が一番綺麗です｣




不覚にも千晶紀は、
その言葉と今日一番の沖田の笑顔に
ときめいてしまった。




しかし…



あんなセリフを恥ずかしげもなく
サラッと言うなんて、
この沖田総司という男…



見かけによらず
女慣れしているのか？



なんて沖田の整った顔を見て
千晶紀は思った。



.