哀しきこと…
「人込みの中は、控えて欲しいよね。あの火って、当たったらすごい火傷になるんでしょ?」
紘伽の質問に真顔な爽佳が答えた。
「根性焼きなんて古い言葉、使いたくないけど、子供には付けたくないわね。高度の火傷になるし……」
紘伽は思わず自分の腕を押さえたあと、しゃがんで光一の綺麗な肌を愛おしく見た。
「付けちゃ……ダメだよ」
確認するように、そうつぶやいた。
子供を守るのは大人の役目だ。
そう、強く再確認したのだった。