哀しきこと…
爽佳は紘伽の8コ年上で現在妊娠9ヵ月。
もうじき赤ちゃんが産まれるからと里帰り中なのである。
「西瓜。食べるでしょ?」
にこやかに聞く姉は妹からみても、立派な母親の顔をしている。
「うん。光一は?」
紘伽は甥で3才の光一の姿を探した。
もちろん、爽佳の子供である。
「さっき、おばぁちゃんが連れ出したけど……」
「お母さん、光一が可愛くてしょうがないんだもんね。ご近所さんに自慢しに行ったのか」