哀しきこと…
あちこちに転がる、吸い殻。
割り箸。
プラパック。
ワタアメの袋。
ポリ袋。
壊れたおもちゃ。
下を向いて歩くのも、悍(オゾ)ましい。
紘伽は目を覆いたくなった。
近くでは、朝早くから、老人会のお年寄りがゴミ拾いをしていた。
「私、手伝います」
紘伽はそういうと、トングと袋を貰い、ゴミを拾いだした。
「おねぇちゃん、若いのに、ありがとうな」
老人会のお婆さんに、そう声をかけられ、照れてしまう。
紘伽は、眠たいのも忘れゴミを拾った。