哀しきこと…

西瓜をほお張りながら姉と笑い合う時間が、とても楽しかった。


「お腹、パンパンだね。お祭りに行けるの?」


紘伽は、西瓜を食べた手を自分の服で拭いた後、真ん丸なお腹を撫でた。


「行くわよ〜。さっき、光一に約束させられたもの」


爽佳は、紘伽にふきんを渡しながら答えた。


「たらいまぁ〜〜」


大丈夫?そう姉に聞き返そうとした時、まだ舌ったらずな男の子の声が聞こえた。




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