哀しきこと…
「お〜大悟、ピカピカになったなぁ」
声をかけられ振り返ると、隣りに住む、匡(タダス)が立っていた。
「ただ兄!」
匡は、大悟を昔から弟のように可愛がってくれる、10才上のお兄様だ。
大悟は、いいことも、悪いこともみんな、この『ただ兄』から教わってきた。
「これ、探すの大変だったんだからな。大切に乗れよ」
「うん。解ってるって!だからさぁ、どういじったら早くなるか、教えてよ」
日ごろ、見せない幼い顔で、大悟は匡に甘えた。