哀しきこと…

追跡

「……ゆ、ゆ、許せねぇ−−−」



大悟は、掌をぎゅっとにぎりしめ、肩を震わせた。



匡は、車の前にしゃがみ込み、傷の深さを見ている。



「30……だな」



「いや、あいつに頼めば、もう少し安くすむか……」



匡は、携帯で写真を撮り、仲間に送る。



下を向いている間に、大悟は走り出していた。


「誰だよ。俺の相棒を傷もんにしたやつは……」


目の前を歩く、人々の肩を掴んでは、顔を確認していく。


もちろん、誰がやったかなんて、見当もつかない。


でも、そうしないと、いられなかったのだ。


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