哀しきこと…

回 想


………あの日、休みで暇を持て余していた滋は親に頼まれた用事で、1人町外れの大型スーパーまで出かけていた。


「ヤバい。なんであんな用事引き受けたんだろ。早く帰らないとドラマ始まっちゃうじゃない……」


久し振りに行ったスーパーの中に自分好みのお店が出来ていて、ついつい長居をしてしまった滋は焦っていた。


ハンドルを握る手にも力が入る。


そして近道をしようと狭い道に入り込んだ瞬間、道の真ん中に停まる車を発見したのだった。



「ん?なによ。こんな狭い一本道で……早く退いてよ」



しかし、待ってみたものの動く様子はなかった。



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