俺様王子と秘密の時間
◆放課後の秘め事
「シイ――?」
自分の席で、窓の外に降る雨を見ながら物思いにふけていた。
ブレザーが不必要になって、蒸し暑いような肌寒いような微妙な時期で。
雨の匂いがするなぁと思ったら、もう梅雨の季節に入っていた。
はぁああああ……。
「シイっっ!」
「………へ?」
ハッとして振り向くと、呆れた顔の羽鳥が頭をポリポリ掻いていた。
あたしまたボーっとしちゃった。
千秋とは、一週間は会ってない。
ううん、会えないんだよぉ。
あの日………図書室で言われた言葉が頭の中をぐるぐる駆け巡ってるんだ……。