俺様王子と秘密の時間


小さなテーブルを挟んで、あたしとお姉ちゃんは向き合うように座った。

お姉ちゃんは昨日、会社の飲み会だったらしく朝帰りをして、そして今日は休み。



「なんかあった?」

「ん……」


狭いリビングにコーヒーのイイ匂いが充満する。

お姉ちゃんはあたしにミルクとお砂糖をたっぷり入れて、カップを渡した。



「最近楽しそうだったじゃん?嫌なことあったの?」


シュボッ

紫色のネイルが光る長い指でお姉ちゃんはタバコに火をつけた。


あたしは小さく首を振る。

そして甘甘なカフェオレを一口。



「あのね……」

 

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