俺様王子と秘密の時間


「あたし、行かないもん!」

「ダメよ!行って来なさい」


ほぇ………?

お姉ちゃんは乱暴にタバコの火を灰皿に押し付けるとムクッと立ち上がった。

タバコの匂いが鼻をさす。



「や……やだよ!」


なんて拒んでいるとケータイが着信を知らせる。

言うまでもなく相手は千秋だ。



「ちょ……ちょっとバカ王子!」


久しぶりの電話に戸惑い、胸がトクンと音をたてて、どもってしまった。

あたしったらほんとにバカだな。



《うるせぇな。つか、早く来い》

「アンタふざけな……」


最後まで言い終わらないうちに耳に当てたケータイがスルッと奪われた。

そして………





「今、行かせますから妹よろしくお願いしますねぇ!」




は………?

 

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