俺様王子と秘密の時間
「ねえ、もしかしてアンタ覗いてたの?うわわあ……サイテー!」
女の子は自分たちがしていたことなんてお構い無しに、あたしに言葉を投げる。
サイテーかあ……。
そうだよね……さっさと立ち去れば良かったのに、あたしは聞いていたんだからサイテーだよ。
「川村さん、このことは内密に、ねっ?」
南センパイ……。
こんなときにまで可愛い笑顔を見せるなんて、ズルいよ……。
「アンタ、黙ってないでなんとか言いなさいよ!」
あたしの知らない南センパイが本当なんだろうなぁ……あたしが勝手に先輩を美化していただけなのかな……。
鼻の奥がツーンと熱い。
視界が滲んで見えるよ。
ヤバい……
なんか泣きそ……。
――ガタンッ
「きゃああああ――!!」
え………?