俺様王子と秘密の時間
ゾクッとして身体をよじらす。
少し汗ばんだ千秋のおでこ。
荒い息を吐いて……濡れた髪を邪魔くさそうに何度もかきわけて……。
それでも容赦はしない、意地悪な王子様。
「“やだ”とか言いながら、素直に反応してくれんじゃん?」
……あたし、バカだ。
最初からこのつもりだったんだ。
好きとか嫌いなんて感情なしに、ただこうすることが“目的”だったの……?
あたしみたいにバカな女なら、王子様の誘惑にのるって思ってたんだ……。
誰でもよかったんだよ。
彼は王子様なんだから。
「キスしろよ?オレがやったみたいに。ちゃんと出来んだろ?」
甘い誘惑。
熱い指先。
危険な香り。
溶けてしまうキス。
あたしはもぉコノ王子様に支配されてしまうんだ。