俺様王子と秘密の時間
し……嫉妬?
王子様があたしみたいなのに?
千秋はあたしの頭に腕を回して引き寄せた。
ねぇ……そんなこと言われたらあたしはもう自分の気持ちを曖昧に出来ないよ。
答えを出すのは夏合宿なんだよ?
「オレ……お前と会えないだけでバカみてぇに調子狂うんだよ」
千秋は優しくゆっくりと離すと自分の髪の毛をくしゃくしゃにして顔を隠した。
あたしと会えないだけで……?
だって、それは千秋が……
「ち、千秋があんなこと言うんだもん……図書室で……」
あたしは自分の身体よりも大きくてぶかぶかなバスローブの袖口をキュッと握った。
ドクン……また鼓動が速まるのは恥ずかしいからなのか、千秋が裸だからかよくわからない。
「まじで、誰にも渡したくねぇ」