俺様王子と秘密の時間
あ……味見って。
あたしは食べ物扱い?
これがほんのさっきまで「悪い」って謝った人間が言うこと?
半放心状態になって固まるあたしに、千秋はさらに攻撃した。
「歯止め利かねぇからさ?」
イタズラっぽい瞳でさらりとそんなことを言う。
なななななんてことを……。
「アンタいい加減に……」
言いかける途中、千秋はあたしが着ているバスローブに手を伸ばした。
ひゃあああああ――!
「それで?なに?」
「それでって……」
「いいから続けろって」
ポーカーフェイスでそんなこと言われても……。
あぁ、泣きそうだよぉ。
「だ……だから、いい加減に……ひゃあっ!」
「いい加減に?」
ドキドキドキドキ……
千秋は平常心のままあたしが着ているバスローブを奪う。
あたし、下着つけてないんだよ?
「じっとしてろよ?」