俺様王子と秘密の時間
≪part☆3≫
◆アブナイ夏合宿
分厚い雲が去って、眩しすぎる太陽が射す7月の朝。
学校の前には5台の大型バスが停まっていて、それを窓側の自分の席から見つめる。
今日から一泊二日の夏合宿。
コンセプトは“自然に触れて仲間と豊な心を育てよう”らしい。
そう書かれたしおりが学級委員によって配られた。
「暑い……まじで暑い!」
真っ白なワイシャツにかかるブルーのネクタイを緩める羽鳥。
ちょっと大胆に見える胸元が目に入ってしまう。
「夏合宿なんか行きたくないよ!オレは早く彼女が欲しいよぉおお」
「コウには無理じゃないのぉお?」
「葉月に言われたくない!彼氏いないクセに!」
隣ではコウちゃんとはーちゃんが言い合っていた。