俺様王子と秘密の時間


「な?テンション上がるだろ?」

「うんっ!」


と、あたしは笑ったんだけど……すぐに羽鳥から顔を背けた。



な、なんでこんな時に思い出しちゃうのぉおおお?


あたしはあの雨の日の放課後……羽鳥とユリという女性が下駄箱で激しいキスをしていたことを思い出してしまったんだ……。



「おいコラ。聞いてんの?」

「きゃっ……」


羽鳥は両手であたしの頬を押さえると、自分の顔の方へ向かせた。


ううううううぅ……。

助けてぇえええ!

口をパクパクさせていると



「シイあたしと同じ部屋だね……って、アンタらなにしてんの?」


と、呆れた顔をしてはーちゃんが突っ込んだ。

 

< 160 / 511 >

この作品をシェア

pagetop