俺様王子と秘密の時間
「ねぇ、痴話喧嘩?」
コウちゃんはひょいと顔を出して煽った。
「あ!夜は4人で朝まで話すか」
あたしの頬から手を放すと、羽鳥はそんなことを言った。
「雅弥、そんなこと出来るの?」
「だってお前と二人って、つまんねぇから」
「ううっ……酷いよ雅弥ぁ」
そして羽鳥の提案により、夜は見回りの先生の目を盗んで羽鳥とコウちゃんの部屋にあたし達が行くことになった。
A組女子は9階、男子は10階と部屋が決まっていて、一部屋に二人ずつ。
修学旅行だったら、沖縄なのに。
でもなんだかほんとに修学旅行みたいで、ちょっと楽しみかも。
むふふふふふ。
呑気に浮かれていると、ケータイが鳴った。
しかも千秋からだ……。