俺様王子と秘密の時間
き………キス?
誰と誰が?
あたしと羽鳥が?
ハハ……そんなこと地球がひっくり返ってもあり得ないんだから。
「……す、するわけナイでしょ?あたしと羽鳥は友達なんだからね?あ、もしかして妬いてんの?」
クスクス……って笑ってやった。
コレはいつもの仕返しのつもり。
それに、あたしの耳のわきに手を置いて見下ろす千秋は、なんだか少し怖いんだもん……。
でも、あたしはいつも失敗する。
「妬いてるよ。アイツがお前に触れんの見てると、情けねぇくらいに妬いてる」
へ………?
顔をあげると千秋の悩ましげな表情がそこにあった。
胸の奥がキュッとして、もどしかくて……。
「ち……千秋……」
何か言わなきゃって思った。
「なーんてな?そんなにオレを妬かせて、どうしてほしいの?」