俺様王子と秘密の時間
ひんやりとする廊下の壁に背中をピタリとくっつけて、俯いたままのあたし。
沈黙の中で、頭の上から声が降ってきた。
「ってのは嘘で、オレが呼んだらちゃんとおいで?」
「え………?」
う……うそ。
また騙されたぁあああああ。
余裕をたっぷり含んだ意地悪な笑みであたしに顔を近づける。
「それから……」
「なによぉ!」
って……ひゃあああああ。
顔が近いよぉおおお。
「お前のこと、襲いに行くかも」
反論しようとしたけど、その前に唇を塞がれた。
とろけるような千秋のキスで……