俺様王子と秘密の時間


黄色い声援を受けているのは言うまでもなく、みんなの王子様だった。



「ねぇねぇ、千秋くん。夜、部屋遊び行っていい?」


派手な髪型と化粧をした女の子たちが千秋と佐久間くんの周りを取り囲む。



「どーしよっかなぁ……」


なーんて甘い笑顔で答える千秋になんだか胸がムカムカしてきた。



なによっ、アレ!

表の顔で笑っちゃって!

バッカじゃないの?



「やぁああん、意地悪な千秋くんもカッコいい!ね、行ってもい?」

「って言ってるけど、慎どうする?」


佐久間くんは最近、ミルクティー色の髪色をダークブラウンに変えた。

なんか、密かに人気みたいです。



「どっちでも?お前にまかせる」


ムカムカムカム。

千秋、こっち見てるし。

……なんか、すっごいムカつくんですけどっ。



握りしめる苺ミルクが破裂してしまいそうだった。



その時――。

 

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