俺様王子と秘密の時間


「川村センパイですか?」

「へ………?」


突然、背後から呼ばれて振り返るとそこには男子生徒が立っていた。



うゎあああああっ。

なに、この子?

メチャクチャ可愛い。



「僕、1年の水城涼(ミズキリョウ)って言います」

「……1年生?」

「はい。涼って呼んでください」


水城……涼?

涼くんは身長はそんな高くナイんだけど、柴犬みたいに可愛い顔をしていた。

それとは釣り合わナイほどのピアスが片耳だけにじゃらじゃらとついていた。

所謂、童顔ってやつだ。



「もう、出発ですよね?」

「あ、うん……」

「じゃあ、要件だけ」


そう言って、涼くんはポケットから折りたたんだ紙をあたしに差し出した。

 

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