俺様王子と秘密の時間


「あ、ソレ。ラブレターとかじゃないんでバス乗ったら見てくださいね?」


と付け足すように言うと、クスッと笑った。


……なぁに、この子?

それにこのちょっと大きめな紙、見てって言われてもなんだって言うの?



「それから、夏休み明けたら新聞部の部室に来てくださいね?」

「は……はい?新聞部?」

「期末終わってすぐ夏休みだし」


と、涼くんが言ったところでタイミング悪く西山先生の声がした。

涼くんは「じゃあ」と言って校舎の方へ走って行ってしまった。




なんだったの……?

ポカーンとしていると、突き刺さるような視線を感じた。

振り向くと少し離れた場所で千秋が腕を組んであたしを見ていた。

だから思い切り、フーンッてしてやって逃げるようにバスに乗り込んだ。

 

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