俺様王子と秘密の時間


揺れるバスの中。



あたしは窓に頭をもたれて、涼くんにもらった紙を見つめていた。

それに夏休みが明けたら新聞部の部室に来てって言われても……。



「ねぇ、シイ?さっき話してた男子って新聞部の水城でしょ?」

「……はーちゃん知ってるの?」


あたしが驚いて聞くと、「もちろん」といった顔で頷いた。



「あの1年、色々やらかしちゃってんのよねっ」


と、はーちゃんが教えてくれた。



やらかしちゃってる?

新聞部の涼くんがぁ?



「そっ!あの水城って新入生が、新聞部に入ってたから校内新聞の内容がガラッと変わったんだよ」


と、話に割って入ってきたのは、あたし達の後ろに座るコウちゃんだった。

 

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