俺様王子と秘密の時間
涼くんとは面識なんてナイ。
さっき初めて会ったんだし、恨まれるようなこともしていない。
なんで、なんで……そんな疑問ばかりが頭の中で交錯して戸惑った。
「ま。お前、彼氏いねぇから大丈夫じゃね?」
「……羽鳥」
うなだれているあたしの頭に、ポンッと羽鳥は手を置いた。
なんか気分が沈んでいく。
「夏休み明けたら、新聞部の部室に来てって……涼くんが」
「……まじ?あたしも一緒に行こうか?」
あたしはフルフルと首を振ると、無理して笑って見せた。
心配かけたくなかったんだ。