俺様王子と秘密の時間
なんだったの……?
二人が出ていったあとも、あたしの頭にはたくさんのクエスチョンマークが飛び交っていた。
でも……あたし助かったんだ。
よかったあああああ!
盗み聞きはバレてないんだ。
うんうん、と心の中で呟きながらフゥーと安堵の息を漏らした。
ん………?
あたし、何か忘れてない?
腰に回る柔らかい感触と、あたしの頭に乗っかる何か堅いモノ、甘い香り……
なんかイヤな予感。
あたしはハッとして恐る恐る顔を上げた。
そこには成瀬川 千秋こと、学校の王子様が意地悪な笑みを浮かべて……ウインク。
「ヒッ……い……いやあああああああああああ――!」