俺様王子と秘密の時間
一瞬にして千秋があたしから苺ミルクを奪った。
「……ちょっと!」
あたしの言葉を無視して、それをベットのわきに置いた。
だからあの時、苺ミルクをくれたんだなぁ。
“ご褒美”なんて言いながら。
かぁああああ――。
だ……ダメ。
ドキドキしちゃう。
自分で思い出しといて照れるなんて我ながらバカだなぁ。
「さっきも思ったんだけど……」
千秋はあたしの頭の後ろに手を回して、髪の毛をくしゅっといじった。
ドクン……
あたしは恥ずかしさを隠すように俯いて「うん?」とだけ答えた。
「その格好、誘ってんのか?」