俺様王子と秘密の時間
今この部屋には二人だけ。
それが余計あたしの鼓動を煽る。
千秋はあたしが抱きしめているクッションを奪うと隣のベットに放りなげた。
出会った頃よりも伸びた千秋の前髪は鼻の頭まであって、その隙間から見える瞳があたしを捉えていた。
だから思わず顔を逸らした。
けど強引に千秋の方へ向けさせられた。
「ねえ、誘ってんの?」
「ちが……」
そこであたしの言葉は途切れた。
まさかのふいうちをくらった。
否定しようとしたのに、千秋のキスが降ってきて唇が塞がれたから……。
羽織っていたジャージをあっという間に脱がされて、ルームウェアだけになる。
「んっ……!」
突然、千秋の舌が唇に侵入してきて、あたしは強く目を瞑る。
太ももに触れる千秋の手が熱くて座っているのが精一杯だった。