俺様王子と秘密の時間
◆ドキドキ危険な一夜
自販機で苺ミルクを買った。
温泉を出たあたし達は談話室のソファーに座り話しこんでいた。
「夏合宿が終わったら期末かぁ。シイ、勉強した?」
「ああ……忘れてた……」
夏合宿が終わったらすぐ期末テストだったんだ。
去年、赤点一つ取ってしまった。
「まったく。あたし、今年こそ学年トップになるよ」
「はーちゃん燃えてるね?きっとなれるよ!佐久間くんになんて負けないでね?」
「……うん」
いつも学年トップはあのメガネ男、佐久間慎。
ただのメガネ男じゃなく、ルックスがよくて頭もいいなんて。
おまけに、千秋と並んだらほんと絵になるんだ。
はーちゃんの名前は常に二番で、それが悔しいと嘆いていた。
「ああっ!居た居た!シイと葉月みぃっけ!」
ビックリしたあたしは苺ミルクを吹き出してしまいそうになった。