俺様王子と秘密の時間


真っ暗闇の山中。

生徒たちは既に集まっていてクラスごとに整列していた。

あたしは嫌だと最後まで粘ったけれど、西山先生がギロリとこちらを見たからジタバタするのをやめた。



みんなの一番後ろにちょこんと座った。

肝試しのルールは、林道を抜けた先に小さな神社があり、そこにあるノートに自分の名前を書いて戻ってくること。

各クラス男女、二人一組。

西山先生は昔オカルト研究会に所属していたらしい。

ゴリラ系統の顔のクセに、オカルト好きなんて恐ろしい。


ガタガタ震えていると



「怖いのか?」


って声が聞こえた。


今にも泣きそうな顔で振り向くと、ラフな格好をした千秋が居た。

 

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